半月と硝子のブイ

so-net 『半月と硝子のブイ』の再開

2022-01-01から1年間の記事一覧

『ミラーズクロッシング』〜森の小径に吹く風

この作品、好み過ぎてなかなか文が書けなかったのだった。過去何回観たか覚えてない。見てくれや表層事象ではなく、主人公ガブリエル・バーンの立ち位置や精神の流離いと咆哮というか…兎に角、コチラ好みの琴線真ん中をダーツで射抜いてくる。 "ミラーズクロ…

『エレファントマン』〜後ろの向こうの方

当時、池袋で教育実習生と観た。当方は生徒だったから奢られた。17歳の誕生日プレゼントだった。五歳上の美術系女子大生H.S.姐さんはワタシには怪しく(妖しく?)艶かしく、Hな感覚でしか眼に映らずだった。併し本作の強烈なインパクトには打ちのめされた。館…

『ロストリバー』〜底の方に在る町

何か一つの対象作品に向かい、私達は本当に真っ白な感覚で掴み取ることはなかなか… "言うは易し行うは難し"というもの。 どんな尺度をもって向かい合うか? どんな比較で相違や引用に気付いて、はたまた教えや刺激を見つけるのか? それは、一人一人が生きて…

『ピアノ・レッスン』〜浜辺と廊下にチャリー・ワッツ

過去3回は鑑賞した作品。 どなたかが仰っていたー映画は自分にとってつまらない作品を数多く観るより、好きな作品を何回も見返す方が人生は豊かになるーたしかにそうかも知れない。で最近、同監督の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を観た際に本作を思い出した…

『レオン』〜黒いサングラスの子連れ狼は牛乳が好き

当時劇場公開版を観て、思い切ってDVD買い(当時は高かったのょ!)その後4-5回は観て、完全版の廉価版が発売され出して直ぐ手に入れて3-4回は観て。 『ゴットファーザー』や『パルプ・フィクション』や、色んな意味でエポックな映画が彗星の如く現れ、その時…

『クレイマー,クレイマー』〜フレンチトーストの味

フレンチトーストを作る時に思い出した作品。実際に我が身に同じ事が起きてからは観る機会が無い。"機会を設けてない"が正確かな。 この世には、明るい離婚の経験者もいるだろう。 ワタシは現在は或る意味では幸せだが、離婚当時は人生最悪の暗雲たる砂漠に…

『フラガール』〜松雪さん御免なさい

年度末に向かいどの仕事現場も忙しい。例年の如く今月からワタシも他業者の現場に助っ人に出ている。請けている現場は納期的に余裕が出来たのであまり苛々せずに。常用扱いの助っ人で勤しんでいる訳だ。 車で片道1.5hの道すがら或る看板が目についた。肌もあ…

ボッシュしゃっは、ベーコンろざりお

映画『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス』を配信動画を契約する以前、某レンタル店の棚に並んだ途端に借りて観た。日本語表記ではボッシュ或いはボッス等と書かれてきたが、本作に於いてはボス。正確な発音を知らないからワタシの中ではボッシュ。 ヒエロニ…

『バスキア』〜南十字星は見ている

我の青い春に重なり、好きな俳優達が目白押し。誰も彼もがあざとくはないサービス満点の演技をしていて、自分にとっては別枠的に南十字星みたいな作品。 監督ジュリアン・シュナーベルは自らが画家であり、作品の好き嫌いを越えたアプローチの迫力は相当なも…